茹卵とオリブの腐ったサラダ/高濱
 
魚が鳥を喰い神父の祈念は
   向日葵畑に黒い映像機を置く  
      襤褸の巡礼の渦巻く顔が振返り  
        空洞が皺嗄れて喃語を喋る
      地平は陰鬱な青の向うに
   巨躯の天使達を走らせ空の眼球-蝕媒
鏡像の断綴のイマーゴは 
   四肢の再発見に拠り統合される自己を 
      曖昧な現象の綜合体として         
        他者を通じて自者を察知し 
      自己像を歪曲する狂気の始原は   
   妄想の型式化に拠って固着する  
世界の検閲者、存在する
   仮想現実の原則は二つのリビドー
      即ち卵殻の外向
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