雨上がり/
森未
アスファルトを
冷やして
しゅわりと水蒸気
たちこめるにおい
苦しくなって
でも深呼吸
冷えたのは一瞬
生ぬるい温度が
足を伝って
透明な傘から
にじんだオレンジが眩しい
喉が渇いたよ
地面にしみ込んだ雨粒みたいに
強くたたきつけて
はじけて
消えてしまうことができたらなあ
と、想像する
するりと
首筋を伝う汗に目が覚めて
簡単にできないことを知る
溜息は
白い熱気と一緒に消えて
今日もやさしい灯のともる
あの家に帰る
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