/紅月
 
いくつもの季節が血を流したあとで
しだいにかたむいていく水面の
ひたむきさばかりを空白に浸して
そうして
ここに
たくさんの誤謬が積もったら
それはとてもうつくしいことだと
ひとは言うのでしょうか


街の関節に水は満ちて
そして、や
つまり、が氾濫するとき
わたしの手元にはなんの齟齬もなかった
あかるい傲慢が羽根をひろげていくというなら
あらゆる言葉にさよならを告げて
さよなら、という言葉にすらさよならを
告げたい、
(ね、だから
なにもいわずにどこかへ去れるということは
おたがいにとって
とてもうつくしいことだから
おたがい、という言葉も
作用しな
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