地球の夢  /服部 剛
 
心を見た人はいません。  
心に手をふれた人もいません。  
それでもみんな 
心の場所を知っています。 

もしも心がなかったら 
今日のあなたは、笑わない。 
昨日の私は、涙を流さない。 

人だけに、人だけに、あるものを 
吟味する瞑想の夜―― 

宇宙(そら)からみつめた地球のなかにある 
人類というふしぎ。 

人類のなかにいる、唯一の顔である 
私というふしぎ。 

胸の裏側にひろがる心の闇に  
ぽつねんと独り浮いている 
青い地球というふしぎ。  





 
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