感受性〜生まれ持っているもの/ヒヤシンス
 

森に囲まれた白い家の個室で私は私の感性を解放する。
それらのうち、あるものは壁に反響して部屋中を駆け巡り、
あるものは開けた窓から外の空間へ抜けてゆき、そしてこれが一番厄介なのだが、
そのどちらにもなれなかったものは私自身へと戻ってくるのだ。

私自身へと戻ってきた感性のかけらを私は受け入れることをしない。
ある厳しさをもって。
そんなわけで彼らは再び私の元から飛び立ってゆく。
しかしそれでもある限られたものたちは私の元に戻ってきてしまう。

そこで私は受け入れる。不断の優しさをもって。
限られた彼らはまさしく私を支えている心の柱、核である。
感性の解放は私自身の心の整理なのだ。

勢いよく私の元を飛び立って行ったものは何か新しいものを得て私に帰る。
手元に残った限られた厄介者たちは決して変わることのない私自身だ。
しかしその厄介者こそ私の愛すべきもの。見誤ってはならない魂の泉なのだ。

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