自分次第の人生/ヒヤシンス
 

ピアノの純音が美しければ美しいほどその裏には胸の張り裂けるような悲しみがある。
人は誰しも悲しみを背負っている。それは白鳥の慟哭にも似て。
力強くシャウトする歌声の陰には壮絶な人生がある。
人は誰しも壮絶な人生を送っている。告白の天使が近寄ればなおさらの事。

悲しみの大きさなど問題ではない。
辛さ、苦しさの度合いなど問題ではない。
経験は人生の糧にはなるが何も声高に主張すべきものではない。
平等ではないと感じている人生こそが唯一平等に与えられているのだ。

人は受け入れなければならない。人生の苦しさを。
人は感じなければならない。人生の喜びをも。
人は認めなければならない。自分と他人の存在価値を。

人は聖人ではない。故に当然過ちを犯すのだ。
鏡を見よ!震えるその歪んだ顔を。敵意を抱いた自分は他でも無い自分が許すのだ。
悲しみが勇気に変わり、苦しさが歓喜に変わるまで、自分自身をとことん許せ!

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