Left Alone/ヒヤシンス
夜風に吹かれながら、一人街を彷徨う。
レディ・デイの幻影を求めながら。
街角に佇む店先からはぼんやりとした灯りと
きっと見知らぬ男たちの奏でるジャズが漏れている。
もうどのくらい歩いたろう。
求めもしないのにこの目に映るのは、
道端に座り込む浮浪者やにやけて手招きをするロシア女ばかりだ。
インスピレーションの欠片も無い。
この頭は才能を求めている。
しかし私の思考には限界がある。
思考の限界を知ってしまった頭には強烈な刺激が必要なのだ。
ああ、私に息づくレディ・デイ。
悲しみを背負い、夜の街を彷徨う人よ。
思考の乱れた私は今夜もあなたを見つけられそうにない。
戻る 編 削 Point(1)