すとろう/そらの珊瑚
 
夕暮れても
大地の熱は
冷めやらず

もうすでに
花も穂も枯れ
ただの茎となったすすきは
すとろうとなり
土に埋まる子らは
それを吸って
生き返る

一本であったら
孤独に揺れる
二本であったら
よりかかりあう
三本であったら
仲間はずれをおそれる
けれど
群生はひとかたまりで
内なる空洞で呼吸しながら
すとろうとなって
分け与えている

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