旅の終わり _渡らない鳥に/
Lucy
どの道も
少し進んだところでたち消える
草原の三叉路
生い茂る草は風の方角に
倒れては起き上がる波
恋慕い
探し求めたものを見失い
(つまり触れ得た事のないものの喪失のあげく)
僕は空高く
ひび割れた雲を横切る鳥だ
帰るべき故郷を探さない
めざすべき異国を
探さない
僕の明日は僕自身である
僕の記憶は
この羽をしたたかに打つ
今日の雨なのだ
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