箴言/蒲生万寿
もしオマエが日に何度も愚痴る仕事に就いているなら直ぐに辞めてしまえ
それは仕事ではない
不毛な世界での隷属に過ぎない
もしオマエが面白いことがないかと誰かに尋ねたり、探したりしているならば直ぐに思い直すべきだ
そこには何もない
不毛な時間が惰性で流れているだけだ
魚の鱗が一枚一枚剥がれ落ちるようにオマエの大切なものが失われてゆく日を重ね
表面上をなぞらえた一生が終る
全ての生命の内で最も怠惰な生き方を求めてやまない浮世の我等
海の一生を知らず
山の一生を知らず
宇宙の一生を知らず
お座なりな表象を薄っぺらな感性で捉える不幸は常に自らの内にある
全知全能には遠く及ばぬ惨めな思考を捨て去り感じ取れ
肉体を有する喜びと悲しみがあることを
肉体を離れた喜びは遥かに悲しみを凌駕することを
魂が触れる喜びは果てしなく尽きることはないことを
今、ここで、それを知る
戻る 編 削 Point(1)