ガラス瓶の惑星/ぎへいじ
サラッとしたワインの水感に そんなつもりでは無かったのだが 安いからなと独り言
一粒一粒 ていねいに
大地の祝福を受けた 柔らかな皮膚の中に有る夢を取り出す
ゆめ
お酒飲む夢…見てます
それは偶然を装ったひとつの賭けで
出来立ての海へ生命の素を投げ込んで 酵母菌を連鎖の頂点に立てる様に仕組みながらも 野蛮な雑菌に怯え かくはんを繰り返す日々の事
連鎖の頂点に立つ
その かめの中では 愚かで滑稽なほどの僅かな糖分を奪い合いながら
彼ら酵母菌もこの息苦しさは何か変だと思うのだが
自分達はまだ豊かな葡萄汁の楽園に居ると信じているから食い尽くすのをやめな
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