春すぎて、/
あまね
春すぎて、白妙
きみのひとみを覗く
彩られた虹
星のかたちをそのままに
人知れぬ森の底で
空を待つ火種の連連
泉のなかに息をこらし
選ばれる日までを指おる
夜霧を深めて
光のないしじまには
白い花のつどい
海とおなじにおいの
熱をはらんで韻韻
祝祭はつむがれていく
春すぎて、白妙
きみのひとみを覗く
歌をききとるように
呼吸する夢たち
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