自動販売機/北橋勇輝
 
自動販売機みたいに
ぴっとボタンを押したら
がらんと愛が生まれた
君は顔を真っ赤にして
満更でもないようだね

ふらっと遊びに行ったら
僕に白い歯、見せて
笑ってくれたね
だけど、たまに寂しそうに
一人でぽつんと輝いている

僕の知らん男が
彼女の前で小銭落とす
ちゃりーん ちゃりーん
その音で振り返ったら嫌な奴
ちゃりーん ちゃりーん
僕の悲しい気持ちは
彼女のやらしいところまで
行っちまって消えたよ

後は缶コーヒー握りしめて
自宅に帰るだけ
朝になろうとしてる空を
糞餓鬼みたいに眺めた
後は缶コーヒー握りしめて
自宅に帰るだけ
そしたら残りの作業を
全部やっちゃおう
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