Kind Of Blue/
ヒヤシンス
魔がその魂を憐れむ事をやめてしまう前に。
そろそろ夜が明ける。
いまや、かのトランペットも帝王の冠を脱ぎ去りその音色は穏やかだ。
魔王もすでに魔王ではなく、心を癒す、うす緑の羽を広げる幻鳥となる。
長く続いた音の祭典も終わりを迎えようとして、燃え尽きた白い灰は天高く舞い上がってゆく。新しい朝へ向けて。純白の新しい朝に向けて。
終わりは始まり。
いまだ日の昇らない霧紫色の世界に聴衆一人一人の笑顔が浮かんでいる。
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