ドラァッ!な一日/済谷川蛍
叩きつけた。おれは化け物に押されていた。だが諦めなかった。無我夢中というやつだった。何か他に余計なものが入れば、一瞬にして押し潰されてしまう。ただ、パンチ!パンチ!パンチ!ふっと、やつが軽くなった。やっと、やっと、やつの限界が知れた。おれは勇気が湧いた。
と、そのとき。
右の方から、バンパーに「危」というマークの入った巨大なタンクローリーが突っ込んできた。停車していた他の車や、おれのプリウスを跳ね飛ばし、おれに突っ込んできた。ここで、絶望を感じていたら、間違いなくおれは死んでいた。おれは、怒った。まるで神のそれであるかのように、純粋な怒りだった。その瞬間、おれは覚醒した。
「ザ・ワ
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