ドラァッ!な一日/済谷川蛍
ラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァッ!
連打連打連打。乱心した千手観音の如く、強烈なパンチを浴びせ掛ける。イケる!と思った瞬間、石炭を満載した貨車がドンッとディーゼルに加勢した。さらにガンッガンッガンッと、次々と貨車がぶつかっていき、そのたびにディーゼルの重量と勢いが増していった。そしてやつは得たいの知れない化け物になった。
野郎ッ……!!
おれはもう無心でパンチを繰り出した。正義や、名誉のためではなく、もしかしたら、少女のためでさえなかったかもしれない。ただ、生き残るために。一秒でも長く、生き続けるために。渾身の力を振り絞り、血に濡れた拳をひたすらやつに叩き
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