ドラァッ!な一日/済谷川蛍
ドアを開けた。それをバンッと後ろ手で閉めると、三枚セットで999円だったネクタイを外しながら冷静に踏切まで歩いていき、それをパッと投げ捨て、踏み切り棒を持ち上げ、第一ボタンと第二ボタンを外して、ディーゼルが走ってくるレールの真ん中に立った。真正面から見ると、凄い迫力だった。おれは自分のスタンドの破壊力の限界というものを知らないが、なんとなく、それを想像出来る。が、ディーゼルが放つ威圧感は、それを遥かに超えるものだった。
「本気でいくぜ」
ディーゼルとおれの距離が1mを切ったとき、おれはありったけの力を込め、ミドルキックを放った。
オラァッ!
ガンッと衝撃が走る。若干
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