redcedar/mizunomadoka
 
氷点下の海面をすべるように歩いてくる
トラ皮を纏った大男

コーヒーを淹れ、読めない文字の本を開き
そんな話じゃないかと夢想する

職人の手で瓦をはぎとり
レッドシダーが三十年ぶりの陽を浴びるように

善いことだけを思いたい

朝6時に
苺を畑からとってきて
バナナを刻んでミキサーにかけ
水やりをする女に手招く

そんな生活がしたかった

トラ皮の大男は
その見た目とは裏腹に

俺も同じだよ! と大声で笑い
これは知らないな! と手を叩いて踊った

一緒に





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