木の橋/……とある蛙
 
簾越しに夏の太陽

舗装されていない通りの先

木造の橋をトコトコ渡る

爺一人

手ぬぐいを首に巻き

麦わら帽

やぁと挙げた掌に

いくらか赤みを帯びた顔の皺

ぺこりとお辞儀をして

そのまま反対側の茂みに消えてゆく

夏の陽射しの中j

爺の笑顔だけが涼しげな

田舎の風景

小僧だった俺の夏休み

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