【草子樺】 詩人サークル群青 6月の課題『慈』から/そらの珊瑚
人は
はぎとった他者に
記し
記してきた
鳥は記さない
慈しみあう
つがいの声は
白い森に響き
溶けて消えていくだけ
草子樺(そうしかんば)は
カバノキ科シラカバ属 落葉高木
樹皮をはぎとられて
紙となる
そこに
わたしは
記していこう
到底あの鳥の声のように潔くは生きられないのなら
それが
今、
つなぎ止めることの出来ない
今、を生きている
証のような言葉であればと
強く刻みつける
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