おせんたく/
maricat
きみが目にした穴は
それは見事な大きさと深さで
真っ黒でいて 純白なのだろう
自暴自棄から身を引けずとも
どこへも転がらない夢を信じている
ことも忘れ 忘れては迷い
いっそこの際 きみを始めとし
両手をだらしなく広げたぼくが また
それはもう見事な穴に
引きずりこまれ
ぐるり ぐるり ぐるり
ぼくを汚していた
美しいフリの上手い 嘘や欲が
剥がれ 丸まり 落ちていった
次は喜びで ぼくを染めるようにと
戻る
編
削
Point
(0)