それぞれの空/黒ヱ
 

水を流して 産まれる星達は瞬く
背を向け合い 聞こえぬようにと 遠くに結ぶ

駆け出し また止まる
目の前の 細く乾いた道

黒の滴りは
また知らぬ影と交ざり合って すれ違う
焦心のまま

「見つめ合って」

顔を上げて 水面に映える夜に触れ
さめざめと流している

寄り添い 触れ合う
その懇ろの日も忘れ 夕靄を纏う
また香る 愛を想う風

「あぁ 凍えてしまいそう」
もう一度だけ また
「そこにいさせておくれ」

流れゆく 星の瞬きが 
重なり隠した 二人の道を照らそうとする
これで 幾度目か
きっと 無くなることは無いのだろう

暈け
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