Taxi driver/月乃助
 
{引用=
街は、いつも
 こぶしを振り上げる 動乱のような
非日常を 人の心にやどす


ちいさなネオンの明かりに立つ少女


夜を踏む女の ピン・ヒールの 短い天使の影


季節を売る
 春を 夏を さびしさの秋さえも


誰もが、娘の価値を知らず
 誰もが、娘の値を知っている


日焼けした手に
 柔らかな小さな乳房の体温をたしかめ
触れれば、次には 激しく腰をうごめかせる


救われようと
 欲望のはきだす そのための 紙切れの枚数をかぞえては、ためらい


そのあげく、去勢された 犬のように
 うなだれ 少女のまえを通り過ぎた

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