Taxi driver/月乃助
{引用=
街は、いつも
こぶしを振り上げる 動乱のような
非日常を 人の心にやどす
ちいさなネオンの明かりに立つ少女
夜を踏む女の ピン・ヒールの 短い天使の影
季節を売る
春を 夏を さびしさの秋さえも
誰もが、娘の価値を知らず
誰もが、娘の値を知っている
日焼けした手に
柔らかな小さな乳房の体温をたしかめ
触れれば、次には 激しく腰をうごめかせる
救われようと
欲望のはきだす そのための 紙切れの枚数をかぞえては、ためらい
そのあげく、去勢された 犬のように
うなだれ 少女のまえを通り過ぎた
[次のページ]
戻る 編 削 Point(6)