F・H/ヒヤシンス
 

夜空の彼方から私の窓辺に舞い降りる音の輝きを見る。
煌めく音の粒が私の心に絶え間なく降り注ぐ。
それは確かに、天上の天使が奏でるピアノの純音。
流麗な音色が疲れた私の心を癒す。

私は自分の神に感謝する。
これほど美しい夜があろうか。
どんなに他人から蔑まれ、疎まれようとも、
私は未だ見捨てられてはいないのだ。

辛く厳しい現実がどうしたというのだ。
夢と希望と健康さえあればなんでもない。
そして何より己の清らかで純真な心を信じる事。

今宵ピアノの音色の羽衣に包まれる幸福に感謝する。
今宵、純白の天使が奏でるピアノの音色に恋をした私に、
天上の聖母が優しく微笑む。

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