河童のおはなし/……とある蛙
 
手賀沼の畔

今、道の駅があるあたり

河童が一匹人を待つ

臆病河童の三太郎

道祖神の裏に隠れて人を待つ

手賀沼の畔

大きな椨(たぶのき)の影で

臆病河童の三太郎

村の悪童銀次を待つ

いつも銀次はいじめっ子

三太郎の弱点の

皿をめがけて石で打つ

その修復に一と月と三日

その仕返しに

銀次を待つ

大きな椨の根元

道祖神の裏に隠れ

臆病河童の三太郎

仕返しのために銀次を待つ

いつまでたっても現れず

日が暮れても現れず

翌朝河童は子供に化け

通りがかりの爺にこういうた


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