くずのすみか/
カマキリ
肉付きの薄い足はぺたぺたと
鏡張りの感情を踏みつけている
言ってはいけないことばが多すぎるから
覚えたての星座の名前を忘れていく
ユートピアの玄関口で
警備員に渡したのは虹色の砂
これで城なんて作ったらきっときれいだよって
だから、諦めてしまったきらきらしたものをちょうだいな
一面をぐるっと水槽に囲まれて
並列化を受けた魚たちが通る
ここから先は、オーロラのない幸せ者の棲み家
この手の届く範囲が、屑の棲み家
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