ゆくすえ/
そらの珊瑚
ゆくすえは
どこまで見まもることが
できるのだろう
吃音のことで
それほど悩んでいたなんて
知らなかったけれど
親は子の悩みを
まるごと肩代わりすることはできないし
してあげたいけれど
してはいけない
ゆくすえの
ゆくすえを
想像すれば
そこに
わたしはもういないから
紙の扉に
うすあおい朝が
透けている
始まったばかりの
雨の季節の
ゆくすえを
誰かが
無言で
見おくっている
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