綿毛の行方。/元親 ミッド
喧噪の中の静けさに
慌ただしそうなスローモーションに
僕は、青の孤独を見た。
夢のような現実は
時に悪夢で、時に意味不明。
開けたドアの向こうに
知らない場所があって
知らない丘陵に立っていて
その頂きで、しゃがんでみると
草むらの中に
タンポポの綿毛を見つけた。
人は、一人でないはずなのに
時々、独りだと思うことがある。
どこからともなく吹く風に
舞い上がったタンポポの綿毛の
行く先を僕は知らない。
どこに行くんだろうって
考えても仕方のないことなのだろうけれど
ただ、その丘の上から見る景色は
見たことのない場所の
見たことのない街だった。
喧噪の中の静けさに
タンポポの綿毛が漂っている。
僕は、青の孤独を見た。
そこには誰も居なかった。
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