午前二時に牛歩/mizu K
町境のしじまの軒先で
酒盛りをやっているというので
おともなく
どんなもんじゃといってみると
みな斬られて死んでいた
付近の田んぼから蛙の声がする
ひとばんじゅう
ただししじまになるときは
蛇と地鳴りが地を這うときだけ
空が満天ならアメンボも飛んでいる
数ヶ月前に落雷したところは
昨日の雷雨でもやっぱり
そのあたりをうろうろしていた
きくところによると
雷の通り道というものがあるらしい
夜の道路をひきずり歩くのは牛の亡霊
あなたはカーテンのすきまからのぞいてはならない
ポストに投げ入れられるのは手首
午前三時につづけて、にど
午前四時半にことんと、いちど
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