雨滴/
佐藤伊織
そうして静かに笑っている
打ち寄せる波が
無数の誰のものでもない顔の寄せ集めだと
気づく
波に囲まれてフワフワと飛沫と共に
浮かび上がる髪の隙間に
微細な空気の雨滴
笑ってみせてよ
わたし
笑っているから
さ
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