詩人口上/月乃助
 


そんな 四角四面の女家業に 嫌気がさし

男気もとめる 性転換

勝手気ままに 男士の道をあゆむことに

身も心も きめたしだいで ございます 

鳶のなきごえ 響きます

深山 森の竹矢来 

ひとり暮しの 仮住まい

不思議な縁もちまして

海のあちらの かなたより

いちどは、捨てた日の本の

故郷にもどって まいりました帰国者

商いは、母の代より他人さまの運勢みます 占い師

世のため人のため 粉骨砕身はげもうと

心にちかっておりまする

時がゆるせば 

つたない詩などをつづっては、我をみつめる創作魂

一念の 天へと登る道ばかり

精進と 北にいきましても 南にいきましても

とかく 土地土地のおあにいさん おあねえさんに

ご厄介かけがちの 若輩者でございます

以後どうか 見苦しき面体 ごめんつかまつり

お見知りおかれましては、

向後(きょうこう)万端 おひきたて 是非も宜しく

お頼み申しあげまする





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