「憲法を変えて、戦争に行こう」/動坂昇
 
わないのであれば、どうか、ネットを離れて彼らのひとりひとりと直接たくさん話してほしい。できるだけ丁寧に、できるだけ辛抱強く、できるだけ時間をかけて、近くにいる人々のなかでできるだけ多くの人と。

 身近なひとと政治の話をすることは、タブーだとされてきた。でも、もしもみんなが黙ってしまえば、TVのような年配にも届くメディアでより大きな発言力を持っている政治家だけがもっぱら自分の意見を広めることになるんだ。それは民主主義を損なうことだ。ぼくたちは、話し合いの場を、身近なところに取り戻さなくてはならない。民主主義は、家族や、友だちの会話のなかにあるんだ。政治的発言を恐れなくてもいい。みんながいっせいに恐れれば恐れるほど、政治的発言はひとを傷つけるかもしれない。でもみんなが政治について今日の天気の話題くらいなにげなく話すようになれば、そのときぜったいにひとは傷つかない。なにげなく、身近なひとたちと、話していこうよ。

 さもなければ、憲法を変えて戦争に行くんだ。そのどちらかしかない。
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