現実/
莉音
青空の描かれた箱庭の中で
或いは、人と時の消えた大都市で
僕はたったひとり歩いている
終わりのないこの場所で
あの日見た夢の続きを
まだ探している
皮膚は嗄(しわが)れて
身体は動かなくなり
声は掠れ、顔は醜くなった
もうあれから半世紀も経ったのに
僕は目覚められないのだ
ありもしない夢の中から
わからないのだ
これが夢かどうかさえも
僕には
永遠に
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