桜並木の川 /服部 剛
 
山桜を眺めると、落ち着いてくる 
白い花々は、何処かうつむいているから。 

山桜を通り過ぎると、落ち着いてくる 
派手さは無く、思いをそっと抑えているから。 

遥かな国の方向へ 
さらさらきらめき、伸びてゆく 
川沿いの並木道を 
少し屈んだ小動物のような翁(おきな)の背中は 
ゆっくり早く、遠のいて―― 

川を横切るてふてふを 
瞳のレンズに映す青年の心は 
らんらんと燃えながら 
遠い翁の往く方へ、歩み始めた 







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