或る男の一日(わりとどうでもいい話)/pur/cran
 
 「今夜は雨が降るでしょう。」
朝のニュースの合間に、予報でお天気キャスターがそう述べていた。
壁掛け時計の短針は七の少し前を指していた。
携帯電話の画面に目を移すと、天気予報アプリも同様、夜に雨。
いつもは持ち歩かない折り畳み傘をカバンに詰め、
家内に「行ってきます」と一言告げて、家を出た。

 朝の時点では快晴であった空模様も、
昼を過ぎるほどに穏やかでなくなり、夕方になると暗雲が立ち込めるようになった。
一雨くる、間違いない。そう確信した私は仕事を早めに切り上げて帰ろうとした。
「田辺くん、」そのとき、部長に呼び止められた。
「ここはどうするといいのかな? エクセルの使
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