風を釣る/草野大悟
 
きみが ハイハイしていたころ
ぼくは ダイナソーだった

ぼくが 家族を守っていたころ
きみは オーロラだった

人の気配が
なーんにもない ここは
ふたりが 初めて であったところ、と
風がおしえてくれた

きみ と ぼく は
そんな記憶を餌にして
今日も ここで
風を釣っている
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