彼と彼女の中庭/石田とわ
片づけてからでも構いません」
それはまるで早く入院しても、ゆっくりでも同じですよと
言っているように聞こえ、思わず医者をにらみつけた。
彼女は仕事を心配する彼を説き伏せ、そのまま入院手続きを取った。
わたしは不安で今にも泣き出しそうだった。
「あなたは彼の娘でしょ。彼はみっともないことが嫌いよ」
彼女は小声でそう囁くと、にっこりと笑った。
「さぁ、観念して。ちょっと早い夏休みだと思えばいいじゃない」
彼女はおどけてそう言うと、ホテルの部屋の話をするように病室は
できれば窓際がいいわねと看護師さんに部屋の確認をする。
その日から
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