せきをしてもひとり?/そらの とこ
らの症状を口にできないじゃないか。
筆談をしてみる?
考えてはみるが至極面倒くさそうである。
病院も諦めるか。
ハァーと溜め息を吐こうとしたら案の定咳が出た。
しばらくすると、ゲホゲホという咳に変わってきた。
それでもずっと止まらない。
段々と喉が痛み出してくる。
喉の奥で血の味がするような不快感。
どうしたものだろう。
よし!横になるか。
冷たい万年床に体を横たえる。
ああー、こんな時に恋人か愛人でもいたらなぁー。
ゲホゲホ。
咳をしながら少しうとうととしてきた。
眠れるならそれが一番だ……。
あっ、そういえば――
その時、何を思いついたかは
[次のページ]
戻る 編 削 Point(1)