かたおもい/佐東
 

黄昏た窓枠を眺めている
はちみつ色に細める
瞳の中には
きっと琥珀が ねむっている



机の上の
コンパスの針で刻まれた
しらない時代の落書きを
なぞる白い指はこびで
背中のGmを おさえてほしい

きみの好きなうたしか
うたわない



白いうなじ
チョークの粉
サンリオのデコメ素材
Pucca
ふくらはぎ

きみの
匂いのするもので
日に日に教室は あふれてゆく



放課後のプールの水を
両手で掬って
こぼさないよう帰途へつく
うお座との相性は
最高だと告げていた
今朝の占いを信じてみる



スカートの裾の
円周にそって着水する
水鳥の
羽毛の軽やかさで
逃げてゆく
風を
おいかけて
きみの名まえを
大切に呼ぶ
いちばん最初に
なりたくて

はちみつ色の瞳で
ふり返る
その一瞬の
視線の さきの





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