かたおもい/佐東
黄昏た窓枠を眺めている
はちみつ色に細める
瞳の中には
きっと琥珀が ねむっている
*
机の上の
コンパスの針で刻まれた
しらない時代の落書きを
なぞる白い指はこびで
背中のGmを おさえてほしい
きみの好きなうたしか
うたわない
*
白いうなじ
チョークの粉
サンリオのデコメ素材
Pucca
ふくらはぎ
きみの
匂いのするもので
日に日に教室は あふれてゆく
*
放課後のプールの水を
両手で掬って
こぼさないよう帰途へつく
うお座との相性は
最高だと告げていた
今朝の占いを信じてみる
*
スカートの裾の
円周にそって着水する
水鳥の
羽毛の軽やかさで
逃げてゆく
風を
おいかけて
きみの名まえを
大切に呼ぶ
いちばん最初に
なりたくて
はちみつ色の瞳で
ふり返る
その一瞬の
視線の さきの
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