春の余白/佐東
 

雨は
大丈夫だから
たぶん
このまま





きみと 花の咲くおとを
ききたいな

ふたりで
おだやかな骨格をもつ
春の日だまりに なりたいな

ささやかな いのり は
ふあん。と揺れている
たんぽぽの
黄色い笑みに
見透かされてしまうから
不安定な みちの上
行き場のない
つま先が
ぽつぽつと
点る





風の散るおと が
きみの袖を濡らすから
伏し目がちに
足ばやに  とおりすぎる  

ふくらはぎ 白い
白い まひるの月
つめたい かるしうむ
のような味
うなじ

ほどけた
黒髪
(ぱらん。


親ゆびの腹で
ぎゅっ と
押しひろげたような
さよなら




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