彼と彼女とワインの夜/石田とわ
 

いつかわたしもそうなるのだろうか。   

    
夕食の献立は「揚げ出し豆腐」と「水菜のサラダ」「きのこのホイル焼き」
どれも彼女が好んでつくるものばかりだ。
食卓につくと彼女はさっそくワインを開け始める。
うちでは彼と彼女はめったに「ご飯」を食べない。
おかずをつまみに「晩酌」をするのだ。
いつもは焼酎をふたりで飲む。
今夜のように彼女がワインのときも彼の「焼酎」は変わらない。
わたしは「ご飯」を食べながら三人三様の食卓を眺める。

彼女はこっくりとした色のワインをまるで水のように
早いペースであけていく。

いつの間にか読みかけの本を置き、年末の大掃除や食材
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