彼と彼女と綿ぼこり/石田とわ
ラのパスタを
つくってみようとふと思いついた。
彼女は好き嫌いがなく、なんでもおいしいと食べるので初めての
料理は先ず彼女に食べてもらう。
上手くなった頃を見計らって彼にさりげなくだすのだ。
わたしの料理の腕が上がるのを彼はとても喜んでくれるからだ。
「いただきます」
やっと目が覚めたようで、彼女はぼさぼさ頭のままコーヒーを
手に並んだパスタを満足そうに見る。
なかなか彩りもよくできた。
もうすこしアスパラのシャキシャキ感があってもいいかもと
食べながら思った。
彼女は案の定「おいしい」と起きぬけだというのにぺろりと平らげる。
「洗濯しといたからね」
びっくりし
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