彼と彼女と綿ぼこり/石田とわ
片づけ、彼女が言うように
ソファの位置を整える。
広くないリビングはあっという間にきれいになる。
「ありがとう。あとはやるからいいよ。」
彼女の掃除熱に火がついたようだ。
きっと夕方には家中がぴかぴかになるだろう。
わたしは彼女に任せて部屋で本を読むことにした。
夕方リビングに行くとぴかぴかに磨かれた窓ガラスに夕陽が
きれいに映えている。
彼女の姿がなく、探してみるとモップを傍らに置き寝室で寝ていた。
「もうすぐ父さん帰ってくるよ」
彼女は「寝ちゃった」といいながら時計を見ると慌てて洗面所に駆け込む。
ばしゃば
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