彼と彼女と綿ぼこり/石田とわ
 
前の休みだって
外食だったでしょ。父さんはいつだってつくってくれるのに」
          
のんきな彼女に追い打ちをかけるように言う。

うちでは食事は彼が、掃除や洗濯は彼女がやるようにいつの間にか
役割分担ができている。
彼女は家事全般が苦手だ、というよりめんどくさがってしないのだ。
休みの日は食事も彼女がつくるはずなのだが、なんだかんだといって
いつも外食にしたがる。
      
彼はなにも言わない。
我慢できなくなると黙って自分で掃除する、それだけのことだ。

けれど彼に先に掃除をされることほど彼女にとって嫌なことはなく
だったらいつもきれいにしておけばい
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