彼と彼女と綿ぼこり/石田とわ
もう冬休みに入り部活へ行く以外は毎日家にいる。
こうして彼女とふたりで休日を過ごすのは夏休みや冬休みの
彼女が休みの平日しかない。
「ねぇ、いい加減起きたら。お昼パスタでいいよね?」
彼女はまだベッドの中で枕を抱きしめている。
どうしたらこんなに眠れるのかと不思議に思う。
「コーヒー飲みたい」
布団の中からくぐもった声がする。
彼女は大のコーヒー好きだ。
ブラックの苦めのコーヒーを飽きることなく飲んでいる。
「はいはい、早く起きてね。すぐできるから」
窓から明るい陽が入るのを見て今日はベーコンとアスパラの
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