淀み/
小川麻由美
約束通り 同じ橋に辿り着いた
花冷えのお陰で まだ
ソメイヨシノは競っていた
所々 吹き出した新緑が 目に痛く
未来への想像の刺激となる
川辺は穏やかな戦場
はらりと落ちた花びらの一部は
川にある流木に行き先を遮られ
まさかと思うほど寄り集まり
色を増す または
淀みで最期を迎える
花びらは色が減退する
再度 訪れ 看取ろうと
心動かされる 光景であった
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