ブリキの森と紙の古城とウルサい湖畔の魔法/あおば
130331
回転体の慕情と怒りが大震災を引き起こすのだと
新聞紙上に描かれたイラストをトレイから溢れた汚水が消してゆく
絨毯ごと売ると猿が断言するから買ったつもりでランプの魔神を呼び寄せ金貨一袋と引き替えに時代考証不能な薄汚れた虚像に描かれた古人と個人が釣り合う瞬間というかイメージが重なる時刻が来たので
釣り銭は要らぬと格好を付けたつもりで深夜料金を気にせずにタクシーを降りた
内陸で起こる地震ほど恐ろしいことを知らぬ熟睡する隣人どもに憤怒の怒りすら覚えるが
彼等は津波が起こらなければなにも恐れることはないと多寡をくくっているのだ、だから
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