ブリキの森と紙の古城とウルサい湖畔の魔法/木屋 亞万
 
にかかった魔法を解くことができるか?」と私に聞いた。カエルの王様としては今の状態も気に入っているらしいのだが、魔法が解けない限り私はこの世界から出ることができないらしい。
 私とてこの世界から脱出する必要をあまり感じなかったが、湖畔の魔法というものに興味が湧いたので踵を返して、元来た道を湖の方へ一目散に駆け出した。
 湖は期待していたよりもはるかに小さく、プラスチックのコップを百個くらい敷き詰めただけのものだった。その傍でリスがペットボトルのコカコーラを、次から次へと並べられたコップへ注いでいた。休むことなく仕事を続けているのだがリスが一周を回り終わるころには、最初のコップのコーラは炭酸が弾け
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