出来れば四月一日に死にたいという男の話/……とある蛙
は泣くことが出来ない
一番悲しいのは死んだ本人だ
泣いたからといって死んだ本人には有り難くない
ただ一つだけ願いがある
骨は桜の樹のたくさんある
じいちゃんの買った公園墓地
そうだ今自宅の近くにあるやつだ
そこに埋葬してくれ
別にどうと言うことはないが
命日に桜が咲き乱れるかも知れない
そうしたら、きっと
私の命日に花見のついでに
お墓参りが出来ようってなものだ
きっとだよ 酒を飲んでもいいから
桜の木の下でお墓参りしてくれ
それが最後の望みだ
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