ベッドサイド/
宮前のん
だ。
4つ目には知的障害の男性。小学校2年生のレベルで止まっている彼の知能。
善悪の判断も、難しい言葉も、彼には理解する必要すらない。
5つ目のベッドは空床だ。
その上に腰をかけて、私は詩を作る。
私の思いを、私のイメージを、言葉に載せて、詩を作る。
丹誠込めて。一生懸命。
悩んで、迷って、あちこち直しながら。
その詩が、彼らの内に届くことは、永遠に無いのだけれど。
(初出:「詩と思想」8月号掲載)
戻る
編
削
Point
(7)